マウスガードの効用
意外に思われるかもしれませんが、マウスガードを使用するスポーツは、こんなに沢山あります。
マウスガードを使用するスポーツ
格闘技(ボクシング、キックボクシング、バリートウード、アブダビコンバット、ブラジリアン柔術、UFC、テコンドー、空手、シューティング、レスリング) |
ラグビー、アメリカンフットボール、サッカー、ラクロス(女子)、バスケットボール、バレーボール、ハンドボール、水球等 |
アイスホッケー、グラウンドホッケー、ベンチプレス、ウェートリフティング |
野球、相撲、陸上、ゴルフ、スノーボード、スキー(モーグル.アルペン)等 |
F1、競輪、モトクロス、マウンテンバイク、インラインスケート |
マウスガードの効用としては、以下のようなものがあげられます。
(1)歯牙及び補綴物などの保護
格闘技及びラグビーにおいては、上顎前歯の破折または脱臼が多く見られる。
(2)歯周組織に対する衝撃を吸収する。
瞬発力を発揮する際、多くのプレーヤーが強烈なクレンチングを行う。
(3)歯肉、口唇などの軟祖織の保護
犬歯突出によるロ唇の裂傷も比較的多く見られる。
(4)顎関節の保護
正しい咬合関係が付与されていないマウスガード、例えば正中のずれ、臼歯部の厚径が厚すぎる場合には、逆に顎関節部の外傷を引き起こすことがあるので注意が必要である。
(5)下顎骨骨折の防止
充分な厚み、正しい咬合関係をもったマウスガードは下顎下方からの衝撃を吸収することにより、骨折の機会を軽減する。
(6)脳震畳の軽減
下顎下方からの突き上げる外力は顎関節、頭蓋底を通じて脳震渥を引き起こす。
上下歯列間のマウスガードはその衝撃を吸収する。
(7)頚部損傷の予防の可能性
最近の基礎的な研究によって、正しい咬合関係のマウスガードを装着して、等尺性運動(例えばスクラムやタックル時の瞬発的な運動)をクレンチングして行った場合、僧帽筋や四肢の筋肉のパフォーマンスに、有意の差が見られることが知られた。このことは、スクラムの崩れや、タックル時の頚部への衝撃に対して抵抗力を高め、頚部損傷の軽減や予防の可能性を示唆させる。